整形外科手術にも目的がいくつかあります。痙縮に伴う二次障害として固まってしまった変形を矯正する手術、緊張の高い筋と比較的正常な筋のバランスを整え痙縮をコントロールすることを目的とする手術、痙縮による異常な力のかかり方や発達の遅れに伴う骨の変形を矯正し、テコの腕としての機能を再建する手術などがあります。複数の目的を併せた手術もあります。変形を矯正する手術として代表的な手術としては、アキレス腱の延長術や前脛骨筋腱の移行術、総趾屈筋の切腱術などがあります。筋のバランスを取る手術としては選択的筋解離術が日本ではよく知られていますが、欧米のガイドラインでは重度痙縮には選択的後根切断術やITB療法が一般的です。
また、股関節内転筋やハムストリングスなどに対する延長術などが行われています。骨切り術は股関節脱臼に対して減捻術や臼蓋痙性術を行うことで、テコの支点を確保したり、足部の踵骨延長術で足部を安定させる手術などが主に脳性麻痺で行われています。